イェルク・デームス ピアノ・リサイタル

2007年11月27日(火)19:00, 新潟市音楽文化会館
曲目:ハイドン:アンダンテと変奏曲ヘ短調
    モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331 「トルコ行進曲付き」
    ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」
     (休憩15分)
    シューベルト:4つの即興曲集より 第2曲、第3曲
    ブルックナー:思い出
    ベルク:ピアノ・ソナタ ロ短調
    デームス:ひまわりの主題による変奏曲
    ブラームス:2つの狂詩曲より 第2曲 
     (アンコール)
      シューベルト:楽興の時 第3番 Op.94-4
      シューマン:幻想小曲集より 飛翔 Op.12-2
      デームス:夕べの鐘

 名前は聞いたことがあっても演奏は聴いたことがなっかたデームス。かつてバトゥラ=スコダ、グルダとともに「ウィーンの三羽烏」と称されたといいます。古き良き時代のウィーンの香りを楽しもうとコンサートに出かけました。出張からの帰り、途中交通事故による渋滞に巻き込まれ、遅れるかと思いましたが、幸い間に合って良かったです。530席の音楽文化会館はほぼ満席です。今回は左前方の席。ピアノを演奏する手がよく見える位置です。

 定刻に開演。79歳とご高齢であり、背中を丸めたデームスさんは、さっそうと登場というわけにはいきませんが、しっかりとした足取りで登場されました。今日のプログラムは、「ウィーンの音楽~3世紀の時空を超えて~」と題して、ウィーンに縁のある作曲者の作品を1曲ずつ並べたオール・ウィーン・プログラムです。大変多彩で興味深いものです。今日使用するピアノは、前回(97年)のコンサートでたいへん気に入ったというベーゼンドルファー290インペリアルです。ウィーンの香りを伝えるにはやはりこのピアノが最適なのでしょうか。ちなみにベーゼンドルファー社はヤマハに買収されることが決まったとか・・。

 1曲目はハイドン。優しく柔らかなピアノの音色にうっとりとしました。なんてきれいな音なんだろう。ピアノの音、ホールの響き、いずれもデームスの演奏にベストマッチしているようです。続くモーツァルトもゆったりとした演奏です。あまりにも有名な曲ですが、まったく別の曲のように聞こえました。ベートーヴェンでは力強さも垣間見みせましたが、決してうるさくならず、抑制のきいた演奏です。

 休憩時間にホワイエに行き、音楽仲間と話をしていると、私の同業者、先輩、同級生など知った顔が多数おられてビックリ。新潟の音楽好きの多くが参集したようです。挨拶も十分できずに申し訳ありませんでした。

 後半も前半と同様の演奏です。シューベルト、ブルックナー、ベルクへと時代が遡って行き、曲調が変わっていきましたが、ソフトで、ゆったりとした落ち着きのある演奏は変わりません。かといって、渋さだけではなく色彩感もあります。原色ではなく、パステルカラーですが。ブルックナーのピアノ曲というのは初めて聴きました。こんな優しい曲もあったのですね。自作の曲も演奏し、最後のブラームスはさすがに力強い演奏でした。アンコールはおなじみの名曲を2曲と自作を1曲サービスして終演となりました。

 いずれの演奏も、デームスのお姿同様に、どっしりとした、風格ある演奏です。いぶし銀のような、年齢を積み重ねてこられた巨匠ならではの演奏と思います。超絶技巧とかとは無縁の世界です。そんな小手先の問題などは超越した世界に踏み込んでいました。音楽に安心して身をゆだねられるように感じました。聴いていて興奮するわけではなく、幸せな気分にしてくれます。心が癒されるのがわかります。これが音楽、これこそ音楽なんだろうと演奏を聴きながら実感しました。
 先日ガブリリュクの演奏に狂喜乱舞した自分はいったい何だったんだろうと思ってしまいました。あれはあれですばらしかったと思いましたが・・・・。

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